弁護士であれば社会保険労務士の業務を行うことができますか?

 弁護士は、社会保険労務士の業務を行うことができます。それには二つの意味があり、まず、弁護士が行う「法律事務」は、法律に規定する事項に関連する事務全てを包含するものであることから、弁護士であれば、弁護士として社会保険労務士法第2条第1項第1号及び2号に規定された社会保険労務士の業務を、法令に基づく正当な行為として行うことができます(弁護士法第3条)。ただし、社会保険労務士が社会保険労務士法第2条第1項第1号の2に規定された「提出代行」(申請書等の提出に関する手続を代わってする事務)の諸手続をする場合に添付書類を省略できる「社会保険労務士法17条の付記」の扱いについては、弁護士として手続業務を行うのであれば、適用されません。
 もう一つは、弁護士であれば、無試験で都道府県社会保険労務士会に社会保険労務士として登録することができます。
 実際に弁護士が社会保険労務士の業務を反復継続して行っているケースは少ないと思われますが、弁護士であっても、社会保険労務士の業務に関与するのであれば、社会保険労務士の専門分野である労働・社会保険関係手続等や企業の労務管理等について、会員の指導や研修等を行っている都道府県社会保険労務士会の会員になり、社会保険労務士のコミュニティに参加することによる実務上のメリットはあると考えられます。