労働保険事務組合は、社労士と同様の業務を行うことができますか?

 労働保険事務組合は、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律(労働保険徴収法)第33条第1項」により、事業主の委託をうけて労働保険料の納付その他労働保険に関する事項を処理することが認められており、その範囲において社会保険労務士法第27条(業務の制限)の適用が除外されます。労働保険事務組合は、社会保険労務士法第2条第1項第1号及び2号に規定された社労士業務の一部を行うことが認められている団体であるということができます。しかし、労働保険事務組合が行うことができる社労士業務は労働保険徴収法で規定された範囲内であり、労働保険事務組合は、社会保険関係の書類作成や労働保険の給付等に関する事務を行うことはできません。
 労働保険事務組合には、中小企業事業主が労働保険事務組合に事務を委託することにより事業主が労災保険に特別加入できるようになる等のメリットもあるため、開業社労士が労働保険事務組合を設立し、事業を運営しているようなケースも見られます。また、社労士が単独で労働保険事務組合を設立することが困難な場合でも労働保険事務組合のメリットを活用できるように、都道府県によっては全国社会保険労務士連合会を通して都道府県社会保険労務士会を単位に厚生労働省の承認を受け、社会保険労務士が関与する「SR経営労務センター」等の労働保険事務組合が設置されていることもあります。茨城県では「SR茨城県労働保険事務組合」がそれに該当します。