当社はいろいろな中小企業とお付き合いがあるのですが、あらかじめ社労士と申し合わせをして社労士を必要としている事業所に社労士事務所を紹介し、社労士事務所からそれに対し一定額の「紹介料」を支払ってもらうようなことは問題ないですか。顧客を紹介される社労士事務所にとっても、紹介料をもらう当社にとってもよい話だと思うのですが。

 ご質問のような行為は社会保険労務士法第23条の2(非社労士との提携の禁止)に抵触することになります。非社労士が社労士と顧客との間に立って契約の成立の便宜を図るような行為は禁止されています。社労士が知人や取引先から顧客を紹介されるような場合は該当しませんが、社労士ではないのに社労士の名称を使用し、あるいは「紹介」と称していても実質的に他人からの求めに応じて労働・社会保険関係手続業務を引き受けるなどして常態的に違法行為を行っている者のあっせん行為に対して謝礼やその他実質的な利益の授受がある場合は問題とされ、これを利用しようとする社労士は非難されることになります。また、現実に顧問契約等の契約関係が成立していなくても違法とされることがあります。不適切な行為を行う事業所の介在により社労士の中立性が損なわれる危険性もあります。
 社労士側としては、上記のようなあっせん行為について申し出をされても受諾の意思表示をしなければ違法とはなりませんので、危ない話はきっぱりと断ることが肝要です。