ある会社が、自社の従業員の労働・社会保険関係諸手続きを子会社に受託させるなど、その会社の企業グループ内の他社が社労士業務(1・2号業務)に該当する業務を処理しても問題はありませんか。

 ビジネスモデルとして、社内のある部門を分社化し、企業グループ全体で効率化や競争力の強化を図るような手法はよく見られると思いますが、自社の従業員の労働・社会保険関係手続業務を自社以外に行わせるということになると、それがグループ会社や親子会社である場合であっても、別の法人は社会保険労務士法第27条において「他人」に該当します。そのため、例えばシェアードサービス等によりグループ会社の労働・社会保険関係の書類作成や手続代行を一括して一つの会社が受託する、あるいはグループ内で親会社の労働・社会保険関係手続きを子会社が受託するとした場合は、社労士しか行うことができない業務を一般の会社が受託したことになり、社会保険労務士法違反となります。その会社のスタッフの中に社会保険労務士がいたとしても、その会社が労働・社会保険関係手続業務のアウトソーシングを受託することはできません。
 労働・社会保険関係手続のアウトソーシングについては、社会保険労務士事務所及び社会保険労務士法人以外の一般の企業等が引き受けることはできないことにご注意ください。