社会保険労務士には「開業社会保険労務士」や「勤務登録」「その他登録」等の区分があるそうですが、その違いは何でしょうか。

カテゴリ: 登録の種別

 社会保険労務士には「開業」「社会保険労務士法人の社員」「勤務」「その他」の4種類の登録の種別があり、勤務登録とその他登録を合わせて「非開業」として区分されることがあります。また、登録の種類によって社会保険労務士としての業務等が制限されることがあります。なお、開業から非開業への変更やその逆の変更など、登録の種別の変更は可能です。
 登録の種別について簡単に解説すると下記のようになります。

開業社会保険労務士
 簡単に言うと、「自分の名前で」業として社会保険労務士の仕事をすることができるのが「開業社会保険労務士(開業社労士)」ということになります。開業社労士の仕事の仕方については、例えば大きな事務所を設置して事務員を何人も雇用している人や、自宅に事務所を構えて業務を行っている人もいるなど様々ですが、開業社労士は「事務所」を1か所設置しています。

社会保険労務士法人の社員
 「社会保険労務士法人」の社員である社会保険労務士は、法人に雇用されて勤務する従業員ではなく、社労士業務を組織的に行うことを目的として社会保険労務士によって設立された法人の社員(出資者)という位置付けであり、開業社労士的性格を持っています。

勤務登録
 開業社労士や社会保険労務士法人の社員以外の社労士(非開業社労士)としては、まず、社会保険労務士事務所や社会保険労務士法人、あるいは一般企業の事業所等に勤務登録している社労士(勤務社労士)が挙げられますが、社労士事務所や社会保険労務士法人に勤務登録している社労士は、勤務している社労士事務所や社会保険労務士法人と別に独自にお客様と契約して社労士業を行うことはできません。また、それ以外の一般企業等に勤務登録している社労士は、勤務している事業所の従業員の手続き等、事業所内の社労士業務しか行うことができません。

その他登録
 「その他登録」の社労士は、社会保険労務士法に規定された社会保険労務士の業務を社労士として行うことはできず、そのため、無資格者でもできる労働相談等を行う際に「社会保険労務士」と名乗って相談業務を行うこともできません。自ら開業登録して社労士業務を行うことをせず、所属する事業所があってもそこで勤務登録もしない、例えば企業等に勤務していて開業登録はしない状況であり、しかもその企業内で社労士業務に該当する業務を扱う部署にいないようなケースで「その他登録」として社会保険労務士会に登録している場合があります。
 「その他登録」については、社労士として業務を行うことはできなくても、社労士会の会員として、他の登録区分の会員と同様に連合会や所属する都道府県社労士会等が行う研修等への参加ができ、連合会や都道府県社労士会等から各種情報を得られる、他の社労士との人的ネットワークを形成することができる等のメリットがあります。